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詩吟と狂言に親しむ

ここ10日ほどの間に、日本古来の芸能である詩吟と狂言に触れる機会にあずかりました。

大学時代の詩吟同好会のオジサマ方☆ご宴会中に吟じて頂きました。
大学時代の詩吟同好会のオジサマ方☆ご宴会中に吟じて頂きました。

まず、詩吟☆

 

ぱるきちママが元OL時代にお世話になっていた方が、宿のご宴会時に披露してくださいました。50年来の大学の詩吟同好会からのお友達同士。政治〜健康〜パソコン〜当時の学生運動などなど、幅広ーい会話☆皆さん、永遠の青年て感じの素敵なオジサマ方です。

 

詩吟は、漢詩を日本語読みし、独特の節回しで唄った芸道。始まりは意外と最近で、江戸後期〜明治初期。藩校の授業や武士の間で始まったようです。見せて頂いた漢詩の本によると、自然や人間の気持ちを表現したものが多かったです。

 

詩をただ朗朗と読み上げるのではなく、重厚に、何か物悲しい(と私は感じた)節回しは、人間や自然界の諸行無常を表してる気がしました。詩吟は普通無伴奏ですが、ちょっと聞くと、楽器にのせて歌う演歌と似てる所が有ります。明治・大正期の近代の詩を吟じても似合いそう☆日本人の底を流れるリズムなのでしょうね。

 

若い頃は「年配の方が唄うもの」位しか感じなかったけれど、不思議なものです。この度、拝聴して物悲しい気持ちになったり、遠くへ思いを馳せたりとロマンチックな気持ちになった、ぱるきちママ53歳でした☆

大倉流狂言山本会、人間国宝山本東次郎さんの解説
大倉流狂言山本会、人間国宝山本東次郎さんの解説

そして、狂言。

 

10日ほど前、千屋小学校にて、狂言鑑賞会がありました。人間国宝の方の演目も披露されました。小学生や地元住民が本物の舞台に触れられる滅多にない機会。

 

狂言は、こちらは古く平安時代の猿楽(笑わせる演芸、まだ芸術の手前)から発展したもの。室町時代に入ると、「能」(武士や貴族のための芸術的な劇)と一緒に演じられる「狂言」となり、庶民にも親しめる芸術として発展し、日本全国で盛んになりました。また、「能→狂言→能」とワンセットを1日で見るのが「能楽」と呼ぶそう。能がメインで狂言は合間の小休止というところかな?!

 

「狂言」は小学生や初心者の私にも分かる笑える内容で、短時間。ちなみに「能」は歴史上の人物の追悼的なお話しが多くて、長い。能と言えば能面を被って演じるのは私でも知っていましたが、狂言はまず素顔(メイクもなし)で、へぇ〜と言う感じでした。

 

言葉がめちゃくちゃゆっくり発音されるのは、詩吟と似てる!(あ〜そいえば、私の習得中の民謡「千屋牛追い唄」もそうでした)じっくり選ばれた言葉で表現してるんですよ、一つも無駄がないのです、と人間国宝の山本さんの解説。その他、狂言の特徴として、

  1. 「事件」でなく事件になる前の「芽(日常)」を演じる
  2. 人間は誰でも愚かしく、喜ばしいものである
  3. 暴力は描かず最小限に上品に演じる
  4. 舞台で大事なのは、お客さんを驚かせないこと

「お客さんを驚かせない」とは、大きな音をたてたりなど驚かせる事で観客の目を奪っても意味がない、静かな気持ちでしんみりしたり、クスッと笑ったりして欲しいという客に対する礼儀だそう。大げさな仕草や音によって楽しませたりせずに、お客さんを魅了するって。。。サイコーに難しそう。なんだか耳が痛いような。ふーん、深いですねぇ。

 

庶民が楽しめ、個性を出さず型にはまった演技で行う普遍的で気軽な芸能、狂言。貴重な機会をいただきました!